Tanka - 2014-04

クロッカス・フリージャ・桜咲く南加の短き春は盛りて
- 大沢正子

うたかたの淡き思いをあちこちに切れ端紙の消ゆるは惜し
- シールス由利子

夕暮れを桜が街路に咲く道を暖かき家に急ぎて帰る
- 松田 ゆう太郎

まんまろく今宵は月の美しく詩心浮かばんままに過ぎ行き
- 林田君江

習慣の時代ははるか半ズボン身軽さ好み手軽く愛用
- 高橋幸太郎

薄れ行く夕焼けの中桜咲く明日は始まるサマータイムが
- 河西玲子

逝く春の野辺を歩みて草を踏み季節の風の余韻を拾う
- 安在信夫

背を曲げてサクレント摘むほころぶ顔明日も一面この庭に咲け
- 金井とし子

咲き誇る花に癒さる春の庭胡瓜も茄子もと活気ずきおり
- 阪口 正

いらっしゃい姿見えねど響く声板場の意気の隠し味かな
- 田中公一

母でも無き女(ひと)母と呼びなれて心寂しく泣きにし日あり
- 村上ふさ子

悔いはせぬ我なし来たる半世紀無に振ろうとも歌ありて生く
- 真紀 巴